絶望的鉢合せ

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*** 「はい、二人組作って~!倒立前転の練習をしましょう!」 わらわらと、すぐに出来上がる二人組。でも、そこにポツリと1人で佇む人間がいた。 「福田さん1人?? じゃあどこかで三人組になってねー!」 体育の先生は、おおらかで。 悪くいえば、鈍感で。 気づかないの。 福田さんが、嫌われてることに。 体育の時間のありがちな光景。私たちは互いに顔を見合わせた。 「えー、絶対やだ(笑) 誰か組む人いるのかねー?てかマジであの髪毎日洗ってんの??」 千奈が私にべったり腕組みして、福田さんを見て笑う。 ・・・・・、 ここで、組みますって言えってことでしょ? おばあちゃん。 ・・・・・言えない。 私は、言えない。 だって、助けて、じゃあ福田さんとこれから一緒に行動したい? したくない。 福田さんを助けて、自分がみんなに嫌われても平気?? 平気じゃない。 千奈が私から離れていって、移動教室とか、こうやって二人組を組む時とかに、1人になっても平気? ・・・・平気じゃない。 群れてないと、生きていける気がしない。大きな集団に馴染んでないと、恐ろしい。 「こーら、早くしなさいよ~!」 先生がケロッとしてみんなに言う。 ミキちゃんたちは、「無理~(笑)」と笑っていて、他の子たちも、自分たちに被害が及ばないように、みんなで知らんぷりしていた。 当の本人の福田さんは、昆布みたいなねっとりとした黒髪を太いゴムで雑に1つ結びにして、ツン、としていて。 それはまるで、強気な態度で、自分のプライドを守っているみたいだった。 「もー! みんな冷たいね~、福田さんっ。じゃあ、そこのグループ、福田さんを入れてね!」 先生は、気づかずに近くのグループに福田さんをねじ込んだ。
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