7012掃

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7012掃

最近買った、コードレスの掃除機が大変重宝している。 前に使用していた掃除機は、詰め替え用の液体をうっかりこぼしてしまい、さらにそれに気が付かずに掃除機をかけてしまったものだから、壊れてしまったのだ。 暫く、ホウキと塵取りの生活が続いていたが、コロナの給付金で買った。何度か、大手電気屋に見に行ったが、流通が止ま欲しい型の物のものが買えずがにいたのだ。 軽いし、ベッドの下や、押し入れの隙間、車の中まで、気軽に使えるので、とても便利だ。 我が家の次男が、アレルギー性鼻炎なので、掃除には力を入れたいと思っている。何度も鼻血を出して、夜中に殺人現場の如く血塗れのティッシュを散乱させている息子を見ていると、私の中で「埃は敵」という意識が芽生えた。 今時の掃除機は、コードレスでもパワーが強い。そして、吸い取ったゴミも簡単に見えて捨てられる。この、後始末をしていると、今日もこんなに敵をやっつけた!と一人、小さな満足感を得る。 今日も、子供部屋、ダイニング、リビングのラグの上まで掃除機をかけたところで、突然動かなくなった。 見ると、充電ランプが点灯していた。小さな体で、我が家の埃達と真っ向勝負してくれていたのだ。音もなく突然、充電を要求するこの小さな家電に親近感を持った。 昔読んだ、姫ちゃんのリボンを思い出す。魔法で物に魂を与えて、お喋りできる姫ちゃん。 私は、魔法は使えないけれど、この掃除機とは親友になれそうだ。
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