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全ての改修を終えた。
部下を巻き込む事もできないため、1人で1ヶ月かかった。
1ヶ月の間、がむしゃらに仕事をしてきた。
時々、彼女のことを想った。
仕事の関係でしかなかった「この女」が、実はずっと心のどこかで大切な家族のような子どものような存在になっていたのだと気がついた。
これから俺はどうなってしまうのか、と考えた時に怖い気持ちが全く無かったといえば嘘になる。
しかし彼女の未来を考えると、不思議ととても幸せな気持ちでいっぱいになった。
俺は大きく息を吸い、ゆっくりと吐き出してから反映のコマンドを叩いた。
そして彼女の歌声を子守唄に、俺は静かに目を閉じた。
「あ、こっちこっち~!」
「わ、ごめん、ちょっと遅くなっちゃった」
「ん~ん、私もいま来たところ!」
「ほんと久しぶりだね!私が会社辞めてからだから2年ぶりくらい?」
「そっか、そんな経つか~…てか最近、キレイになった?」
「ありがとう~、そうなの。色々と頑張ってるんだ。おかげでね、ある大きいレーベルとの契約が決まりそうなの!」
「すごいじゃん!ほんとに応援してるからね!」
「ありがとう!色んな人に応援してもらえて幸せだな~がんばるね!」
彼女の笑顔はとても輝いていた。
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