人体プログラマ

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しかし1週間経っても1ヶ月経ってもニキビの生成力は変わらなかった。 長年稼働してきた複雑で何千万行にもなるソースコードだ。他にも修正すべき箇所が大量にあるのだろう。 俺は関連する処理のコードを全て見返すことにした。 「先輩、なにやってるんすか?」 「ニキビ生成処理の部分を全部見直しているんだよ」 「あれ、改修スケジュール的にはまだ先じゃないっすか?」 「いや…改修というか改良できないかなと思ってね」 「…それリファクタリングの範囲ですか?仕様変わっちゃわないですよね?」 「んー仕様はちょっと変わっちゃうかも」 「えっっっ!マジっすか??やめといたほうがいいっすよ!!先輩干されちゃいますよ!?」 「…実はもうすでに1回小さい修正を反映済みなんだ。そんなに効果はなかったけどね。でも俺もこの通り、ピンピンしてるから。平気だよきっと」 「いやー…もうこれ以上はやめといた方がいいんじゃないすかね…ほら、ニキビなんてあっても生命に関わることは無いっすし」 彼の言うことはもっともだ。 彼女の生命に悪影響はない。 しかし彼女の人生にとっては大いに悪影響を及ぼすものなのだ。 この時ふと、俺は初めて彼女の力になりたいと思った。
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