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和装婦人の行く末
中学生の頃。
飼い犬の散歩で訪れるちょっと大きめの公園がありました。
周りを石垣で囲まれたその公園は、テニスコートがあったり、ナイター設備のある野球場があったりと、地元の人間には馴染みのある公園なのですが、私には忘れがたい思い出があります。
その公園にはトイレが2か所設置されていたのですが、入り口に近い方のトイレは、犬の散歩をする際必ず通るルートに位置していました。
ある日、いつものように犬の散歩をしていた私は、そのトイレの前を通りかかった時、白い着物を着た女性が白ゆりの花束を手に入って行く姿を見かけたのです。
その時は着物で公衆トイレは大変そうだな……という、子供ながらの印象しか持たなかったのですが、後日、そのトイレで白装束の女性が自殺していたというのを知って驚愕したのです。
白装束――後に知ったのですが、私が見たその着物の女性が着ていたのは、まさにそれでした。
でも私が目撃したのは、その女性が自殺した後のことなのです。
では私が見たのは一体……?
それ以降、そのトイレを使うことは未だに出来ません。
※実話です。
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