終電とスマホ

2/5
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
 明日は彼女とデートの約束をしている。  もしお互い何か連絡を取りたいことがあったら、オレはスマホが手元にないから連絡を取り合うことができない。  もし彼女の方がオレに連絡をしてきたとしても、オレは応対することができない。そうなると、彼女からすればオレが彼女のことを無視しているみたいになってしまう。それはものすごくまずいことだ。  だけど、今、あれこれ考えていても仕方がない。  今日、オレが行った居酒屋は夕方からしか開店していない。  だから明日、彼女とデートしている途中で、そこの居酒屋に顔を出すことにしよう。  * * *  そして次の日。  オレは彼女と約束をしている待ち合わせ場所に来ている。  しかし、どれだけ経っても彼女は待ち合わせ場所に来ない。  オレは彼女に何かあったのかと心配になって、公衆電話から彼女のスマホにかけようと思ったけれど、彼女の電話番号を覚えていない。メモリに入っているとなかなか電話番号を覚えることはできない。  それに、もし彼女の電話番号を覚えていたとしても、彼女は非通知や公衆電話からの着信は全くでないと言っていた。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!