終電とスマホ

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 だからオレが公衆電話からかけたとしても、彼女がその電話に出ることはない。  不便だな、スマホがないと。  こんなにも不便だなんてスマホを手にしているときは、気付かなかった。  いざスマホが手元からなくなると、こんなにも不便なんだということに気付かされた。  仕方がないから、オレはこのまま彼女を待ち続けた。  かなりの時間が経った。  でも彼女はまだ来ない。  オレは腕時計を見た。  まだ居酒屋はやっていない時間だったけれど、スマホを取りに行くくらいなら店の中に入ってもいいのかなと思い、とりあえず彼女との待ち合わせ場所から離れて、そこの居酒屋にスマホを取りに行こうと歩き出した。  電車に乗って、居酒屋の最寄り駅で降りた。  そこから歩いて居酒屋に着いた。  まだ準備中だったけれど、店の中に入った。  そしてお店の人に昨日のことを説明して、なんとかスマホを返してもらえた。  スマホを返してもらったオレは、さっそくスマホの画面を見た。  すると、なんと彼女から5件の着信と1件のメッセージの履歴が残っていた。
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