赤いボタン

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「夜分遅くに済まない。緊急で確認したいことがあって。」 「いえ。深夜にわざわざ自宅に電話してくるとは、なにかありましたか?」 「電話した件とは、今日は私の執務室に設置された、赤いボタンにについてだ。」 「はい、どのようなことでしょうか。」 「もし、あの赤いボタンを押したらどうなるか教えてもらえるかい?」 「はい、あれは地球の中心近くに設置した核爆弾起動装置です。 他国の核抑止力のために設置しています。 ボタン押下後5分で起動します。 まあ、実際には使われることはないでしょうが。」 「5分か……。 もしも、ボタンを押したっ場合、解除方法はどうやるんだい。」 「はい、唯一の解除法は青い解除ボタンを起動前までに押下することです。」 「ほう、その青いボタンはどこにあるんだい?」 「はい、明日設置予定です。」 「……そうか。夜分にすまなかた。」 「…大統領、まさか… ボタンの上に張り紙まで貼ったのに…もしかして」 防衛大臣は電話の向こうで話しているが、私はゆっくり受話器を置き、時計を見た。 残り一分になった。 私は赤いボタンを見た。 そこに張ってはある張り紙にはこう書かれていた。 「絶対に押してはいけない」と。
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