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「っ………!」  呼吸を整えると起き上がり汗を拭う。  白い子竜が首を持ち上げ鳴き声をあげた。  心配してくれているのだ。  黄の子竜、ベリルが無色透明になって、ほのかな明かりを照らす。  赤、青、緑、黄、黒の子竜も起き上がり、ほのかな明かりを発した。  その人は白い子竜、クリスタルを抱き寄せる。  するとクリスタルはその人の顔をなめ始めた。  赤い子竜、ルビーが炎を出して薪に火を点ける。  灰色の長髪と瞳を持つ男性が見えるようになった。  彼の名はオウス・シン。  定めを詠む者の一人。  この世界での定めを詠む者は契約者(リーディング)と呼ばれ、様々な種族から尊敬と畏怖の念が集まる。  シャッフルしたシンはデッキからカードを5枚引いた。  占っているのだ。  しばらくするとシンは立ち上がり、森の中へと消えた。  それに気付いた子竜たちもあわてて火を消して追いかけって行った。
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