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「あの貴族を倒したんだって?シン。さすが俺の半身。」と男の声が聞こえる。
「ガイ。何だ。」とシン。
ガイとシンは双子だ。
容姿はだが、違うのは色だ。
ガイの方が髪も瞳も黒い。
しかし、その瞳の奥には強い意思と野心がある。
「俺たちは二人で一人だ。お前は俺だ。」
とそう言うとガイから黒いオーラが出始める。
共鳴しているのだ。
「やめろ!俺の中に入るな!」
と拒絶するシン。
「俺の力と共鳴に耐えられるのはお前だけだ。お前だって本当は力が欲しいだろ?強くなりたいと思っている。力が無ければ何も守れない。」とガイ。
共鳴とは思考や感情を共有出来る者のことだ。
しかし、誰でも出来るわけではない。
失敗するか負けると、永遠に眠りに就くことになったり、人が変わるか、あるいは死んだり、支配され操り人形になる。
「お前もわかっているはずだ。だが、お前は弱くなった。俺のものだったのに!」
とガイ。
前に会った時よりも共鳴の力が強くなっていた。
「だが悪くない。この調子で強くなってくれ。共鳴の力は前と同じか。共鳴の力も使え。その力とカードと共にさらなる力を得るんだ。」とガイ。
「……。」
「その力を使わなければならない時が来る。力とお前の本来の強さを使わないで、全てを失い後悔するか、使って守り抜くのか。シン。お前が決めろ。」
ガイはそう言うとその場から姿を消した。
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