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『初めてしゃべった言葉』
ヘナの第一児は、体の小さいいわゆる未熟児だった。
体に異常がないか調べるため、生まれたばかりのヘナの赤ちゃんは保育器に入れられ、
しばらく病院で様子を見ることになった。
赤ちゃんはそのまま10か月も病院にいたが、無事に退院した。
退院の日、ヘナは夫と共に病院へ行き、10か月ぶりに赤ちゃんをこの手に抱いた。
すると、生後10か月になった赤ちゃんは言葉を発した。
無邪気な笑顔でこう言ったのだ。
「しねくそガキ しねクソガキ しねクソガキ」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
......意味は分かったかな?
赤ちゃんが生まれて初めてしゃべる言葉っていうのは、
赤ちゃんが普段からよく耳にして覚えた言葉じゃないかな。
ヘナの赤ちゃんはどうやら病院にいる間、すっごくひどい言葉をよく耳にしてたみたいだね。
しかも言葉の内容から考えて、これは赤ちゃん自身へ向けたもの。
言葉を発したのは、赤ちゃんを預かっていた看護師か、お医者さんかな。
つまりヘナの赤ちゃんは、病院にいる間ずっと看護師かお医者さんに暴言を吐かれて、
虐待されていたってこと。
医療や介護の場面では、
スタッフの人が患者さんに暴言を吐いたり暴力を振るうことは結構あるみたいだから、
みんなも気をつけてね。
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