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伊代ちゃんは随分と大人びた子だなぁと思っていたけど、オムライスを食べれば口の周りがケチャップだらけになるし、お腹がいっぱいになれば眠くなってしまう。そんなところはすごく子どもらしくて可愛らしい。
「寝ちゃったね」
ソファーに三人で並んで座っていたら、知花に寄りかかるように伊代ちゃんは眠ってしまった。おでこに汗をかいて、前髪が額に貼り付いている。幸せそうな寝顔を見ていたら、俺まで眠くなってきた。
「あら、あんたたち出かけたんじゃなかったの?」
知花のお母さんの声で目が覚めた。結局寝てしまっていたらしい。伊代ちゃんと知花も今起きたようだった。伊代ちゃんはぴょんとソファーを降りて「ばあば!」と飛びついた。
「伊代ちゃん来てるなら呼んでくれたらすぐ帰ってきたのに。まだ二時だから、今からでも出かけてきなさいよ」
半ば強引に外に追いやられてしまった。知花と顔を見合わせて、笑った。
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