溺れるようなからみ、あい

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 予告するようにつま先をペロリと舐めてから、珀人さんの体が私の足の間に収まる。熱棒に手を添えて私の割れ目を焦らすように何度も先端で撫でたり、ぷっくりと存在を主張する突起を押しつぶしたりと戯れのような愛撫をして、散々私をあっためたあと、ようやくというような緩慢な動きで先端が入口に押し当てられた。 「んんっ」  指とは全然違う硬さと質量がゆっくりと侵入してくる。濡れそぼってほぐされたそこは、ゆっくりと珀人さんを飲み込んでいく。 「あっ!!」  先端が入りきった瞬間、ふつ、と薄い線が切れたような衝撃が走る。僅かな痛みと違和感に、私の初めてが珀人さんのものになったことを感じて、嬉しくて幸せなのにどうしようもない喪失感で胸が苦しくなった。珀人さんは私の頭を優しく撫でて、ずんずんと入り込んでくる。 「くぅっ」  満足げなうめき声とお腹がせりあがるような圧迫感に全部入り切ったことを知って、ああ、全部入れられちゃったんだ。私のハジメテは珀人さんのものなんだって満たされた気持ちになってぽろぽろと勝手に涙が出た。 「ああ、きもちいい…すごい暖かくてぴくぴくしてる。ルリちゃん、動いていい?」 「うん、うん、うごいてぇ珀人さん」  お腹の中で脈打つ珀人さんの熱棒を締め付けながらその体に足を絡める。まだ少し痛くて苦しいけど、だからこそどんどん攻めてほしかった。 「たまんない」  絞り出すような低い声で唸った珀人さんが私の腰を掴んで動き始める。最初は私の様子をうかがうような動きだったのに、だんだんと激しさを増して、私の身体がベッドで激しく上下する。振り落とされそうな抽挿に怖くなってシーツを掴む。リズミカルに腰を打ちつけられると、お腹の奥がジンジンする。 「あっ、あっあああんっああ」 「ルリちゃん、ルリちゃんっ・・・・っ・・・・!!」 「ひぅ、あああっ!」  思い切り腰を押し付けられてぐりぐりと刺激され、私は何度目かになる絶頂に身体を大きく震わせた。お腹の中で珀人さんの熱棒も大きくなってぶるぶると震えているのが伝わってくる。 「はぁ、はぁ、はぁ」  お互い荒い呼吸をしながらぐったりともたれかかりあうようにベッドに沈むように倒れ込んだ。 「すごかったわ…」 「ひゃい…」  喘ぎ過ぎて口の中はカラカラだ。指一本すら動かせないほどに身体全体がピリピリ痺れている。セックスという物がこんなに大変で刺激的で気持ちいいなんて。まだ夢を見ているような浮遊感の中、隣に寝転んでいる珀人さんをじっと見つめる。  綺麗な顔が汗で濡れて少し気だるげなのがまた色っぽい。  こんなきれいな人としてしまった、という実感がじわじわ湧いてきて、さっきまで珀人さんが入っていた場所がまたじわりと濡れた気がした。 「ね、ルリちゃん、おねがいがあるの」  色を含んだ珀人さんがかすれた声で囁きながら私の頭を撫で、そのまま滑り降りた手が素肌の肩を撫で、ゆっくりと胸まで落ちておっぱいをやわやわと揉み始める。 「もういっかいシテもいい?」 「ひえぇっ」  そんな色っぽい顔と声でおねだりされて誰が拒めるだろうか。色気のない悲鳴を上げた私に珀人さんは笑いながらも明確な意思を持って胸の先端やお尻を撫で始める。  細くて綺麗だけど確かに男の人のものである足が、私の足の間に滑り込んで、太股の間で甘えるように上下して、足を開くように誘導してきた。 「ああ、んっ」  もうどこを触っても甘い声しか出ない私の身体も心もぐずぐずで、私は誘われるままに足を開き、まだ緩んでいる入口に珀人さんを迎え入れる。  そのまま二度三度、と珀人さんに散々と貪られ、私がベッドから起き上がるのを許されたのはとっくに日も暮れた夕食時だった。
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