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「美味しい?」
「…はい」
珀人さんが用意してくれた夕食を味わっていると、その様子を正面に座って見つめている珀人さんが幸せそうに笑った。
シャワーを借りてすっきりした私の身体は珀人さんによって隅から隅まで高級なクリームが塗り込められていて(その間に指で2回イカされた)、自分の身体とは思えないほどにすべすべしてていい匂いがするするから自分の身体とは思えない。
服も珀人さんがシャツを貸してくれてそれを羽織っているだけだ。私の服は一切合切洗濯乾燥機に放り込まれていて、あと3時間は帰って来ない計算。
素肌に珀人さんのシャツだけを羽織っているという非常識な格好が恥ずかしいやら落ち着かないやらで、きっとおいしくてたまらないはずの夕食がうまく味わえない。
「しっかり食べてね」
「はい」
「お腹いっぱいになったらまたイイコトしてあげるから」
「ふええぇ」
これ以上は無理ですって叫びたいのに、あんなに弄られて珀人さんの形をすっかり覚えてるお腹の奥がきゅんとなった。
服を濡らしちゃうんじゃないかと急いで入口を締めると、その感覚を気持ちいいと覚えてる身体がぶるりと震えた。
「あらあら、はしたないわね」
「ご、ごめんなさ」
淫らな自分を咎められたのかと体を固くしたが、珀人さんの指が私の口元に触れて優しい動きでぬぐってくれる。どうやら食べこぼしていたらしい。
汚れた指先を珀人さんが見せつけるみたいにゆっくりと口に含んだ。綺麗な指が綺麗な口元に含まれるという光景はとってもいやらしい。
「期待してる?」
「そ、そんな、こと」
「うふふ。アタシ、ってこんなに甘やかしたい男だったのねぇ。可愛い恋人に浮かれているのね」
嬉しそうに笑う珀人さんの笑顔はどこか少年みたいだ。
「ルリちゃん、覚悟してね?アタシ、自分で考えているよりずっと欲深いオトコだったみたい」
珀人さんの指が私の手をするりと覆った。指先が私の手の甲を撫でて、無色な指先をつるりと撫でた。テーブルの下からも足が伸びてきて、私の素足を珀人さんの足裏がくすぐる様に撫でまわし、つま先をぐりぐりと柔らかく踏まれると、お腹の奥がきゅんきゅんと疼く。
「今度は何色に染めたい?どんな色にもしてあげる」
「は、珀人さんの、おすきなように…」
「かわいい事いってくるわね。じゃあ任せて。ルリちゃんの全部、アタシ色に染めてあげる」
うっとりと笑った珀人さんの顔が近づいて、触れるだけの柔らかなキスをされ、私は全てをゆだねるように瞼を閉じた。
おしまい!
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