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頭取が言っていた…俺にはなくてアイツにはあるモノ。
アイツにはなくて俺にあるモノ。
それは未だに分からなかった。
「さてと…俺も行くか…」
俺もフロアに戻っていく。
「んっ?」
デスクに戻った途端、上着のポケットに忍ばせたスマートフォンが振動した。
相手は神戸。
「もしもし・・・俺だ。どうした?」
―――美亜様が産気づいた様です…今から病院に向かいます!!
「そうか…分かった!!」
俺はすぐさまスマートフォンを切った。
コピーの擦る音。電話の音。
様々な音が響き渡るフロア。
俺は内線で母さんにも電話をする。
「母さん!!美亜が産気づいた!!俺は…早退させて貰う」
―――そう、分かったわ…司…貴方もパパになるのね…
「母さんだって・・・ばぁちゃんだぞ・・・」
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