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俺は上着を脱ぎ、美亜の腰の辺りを摩る。
「あ…そう言えば…ビデオカメラに撮ろうと…」
「あ…そこにありますよ…お義父さんが持って来たビデオカメラが…」
「そっか…」
俺は親父の鞄を探り、ビデオカメラを取り出した。
「俺が買ったビデオカメラよりも性能がいいぞ…」
時折、様子を見に助産師の中田さんが来て、分娩監視装置で陣痛や胎児の心音を見ていた。
「陣痛が弱いわね…」
「奏弥は来ないんですか?」
「あ、槇村先生は今…オペ中で」
「そうなのか…」
「今日は出産ラッシュで…早朝から数えて、伊集院さんを含めたら四人同じ誕生日の赤ちゃんが誕生しますね」
中田さんの説明を訊き、俺達は驚いた。
「それは凄いな…美亜」
「うん…いたたっ」
美亜は又陣痛の痛みで顔を顰めた。
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