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「やっぱり…腹を空かせていたんだな」
司さんはおっぱいを無心に飲む亨の頭を撫でる。
彼の顔はパパの顔になっていた。
そして、私はママの顔になる。
母の居ない私に色々とお義母さんが育児のアドバイスをくれた。
嫁と姑だけど。私達は仲がいい。
そして、お義父さんとも。
亨はお腹がいっぱいになり、ゲップも出さずに眠ってしまう。
司さんが亨の顎を肩に乗せ、背中を摩ってゲップを出してくれた。
「司さん、ありがとう」
ゲップの出た拍子に母乳を吐き、彼の着ていたジャージを濡らした。
「俺まで…乳臭くなっちまったな…」
彼は亨をベビーベットに寝かせる。
「ふふっ…今、とっても幸せ…」
「んっ?」
「ありがとう…司さん…貴方のおかげで素敵な家族が一杯出来たわ…」
「美亜…!?」
司さんは私の腰に手を回し、抱き寄せた。
「俺の方こそ…ありがとう…こんなに可愛い…亨を産んでくれて…愛してるよ。美亜」
偽婚約者から始まった恋は実を結び、司さんと私はパパとママになりました・・・
私達がキスを交わそうとするとノックなしにお義父さんが再び入って来た。
「おいっ!?親父!!?ちゃんとノックしろと…いつも言ってんだろうが・・・」
キスを邪魔された司さんは思いっきりキレた。
(完)
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