6-3

1/1
前へ
/25ページ
次へ

6-3

 そうなの、作戦は出オチみたく失敗。  収容してくれるヘリに行き着くまでにうちの部隊、お友達もいた、……次々と腕を撃ち抜かれてしまったり、頭部や腹部などにくらってそのまま戦死してしまった子……。  無傷だったのはうちと数人ぐらいなもんだった。  そっか……とわたしは声になっていないような声で呟いた。  麻美は戦争を体験したんだ。  「それが今でも怖くて、フラッシュバックしたり夢も視ちゃう……」  ──麻美、よく話せたね。それにわたしに真っ先に話してくれてありがとう。  「本当に怖かった……!」  わたしは席を立って、麻美の後ろへ回り込み、彼女のことを黙ってぎゅっと抱きしめた。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加