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「鈴、なんか少し楽になってきた」
──さっきのキス効いたかな?
「うん、そうみたい」
聖パルは魔界からやってきた小悪魔たちに、名前や日本の国民としてマイナンバーやら健康保険証やらを工作してくれる。なぜそんなことができるのかは謎だけど。
とりあえず、うちらが通っている学校には、Half-Cat、Harf-Dog、Harf-fox、などなど凄い子が通っている。
「時間も時間だし、たぶんもう吐かない。吐くとしても自分でトイレいける。鈴、マジでありがとう」
──七時まではお見舞いいいんでしょ、それまでいるよ。
「そうだけど……ってアレ見るのか病院から」
──鋭いねー、麻美、そうなの、今夜七時半過ぎに日本上空通過。駐車場から眺められるんじゃね。麻美のことお祈りするよ。
「流れ星じゃないじゃん」と言って、麻美は微笑んだ。
──大事なことだから二回繰り返すんじゃなくて、三回繰り返すの。
本人はわかっているのかしらないけど、小悪魔の角が生えたままだし。
──流れ星より尊いよ。それよか、おしゃべりできる元気出てきた?
うん、麻美が応えた。六時半までゆるくおしゃべりして、配膳のご飯──まだおかゆのようなものを持ってきて食べさせてあげる。
七時になって、わたしは退室した。
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