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 ──なんで角とか出したくなるの?  「やっぱり本来出しているようなもんだし、開放感があるからじゃね」  そう言うと、きゅっ! と小悪魔独特の鳴き声を上げた。  「でもさ」と麻美。「鈴がコミュ障だったなんて信じられないわけだが」  ──本当だってば。別に自慢じゃないけどさ。コンビニ七七七円事件話したでしょ。  「え、なにそれ。怖そう」  わたしは思い出して顔を真っ赤にしながら、たぶんまだちょっと電気痙攣療法の副作用かもしれない健忘の麻美のために説明した。  聖パルの中等部から高等部になってまもない頃だった。  わたしはのど飴やらお菓子の類などコンビニで買い物をした。そのときの合計が七七七円で、レジのおばちゃんに──今日は勝てそうね!──とコンビニのマニュアル接客とは正反対の、ある意味とっても人間くさい冗談を言われたことがある。  わたしはなにを言われているのか一瞬わからなくて、わかってもそんなことに反応するのがなんだか苛立たしげに無視してコンビニを後にしちゃったのだ。  これ、けっこう自分の中では痛い経験で……あるときから、意識してこういう態度はやめようと決意した。で、どんなふうに対人反応をすればいいか、そんなのはわりとかんたんだった、クラスで人気のある子とか、真似すればいいから。
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