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一人の女が男に泣きついていた。女、貴美は男の親友、美奈人に告白し、フラれたのだった。
貴美は男、璃音とは幼稚園の頃からの幼馴染、貴美が告白した相手、美奈人は璃音が高校に入ってから親友になった男であった。この三人、部署こそ違うが、同じ会社に勤めている。三人共に接点があり、友人関係になるのに時間はかからなかった。
ある日、貴美は美奈人に恋をした。ただ単に三人で一緒に遊んでいる内に恋に落ちただけである。彼女は幼馴染の璃音に「ねぇ、美奈人くんって好きな人いるのかな？」と、それとなく探りを入れる。璃音は親友であるおかげか美奈人の恋愛関係は把握しているつもりだった。美奈人の顔は整った美形で女は引く手数多、数日後には彼女と紹介された女性が変わっていることも珍しくない。のだが、それは高校大学の時の話、恋愛関係がそのまま結婚にまで直結するような社会人になってからは彼女と呼べる人間はいない。つまり、今はフリーと言うことになる。
貴美は直様に美奈人を会社の屋上に呼び出し、愛の告白をした。いきなりの告白に美奈人は驚いた。親友の幼馴染で一緒に遊びに行くことも多く、嫌いではない、だが、好きでもない。
美奈人は貴美の告白を断るのであった。
「ごめん、貴美ちゃんのことは友達としてしか見られないんだ。貴美ちゃんだったらもっといい男いると思うよ。これからも友達でいてくれな」
愛の告白が玉砕した貴美は幼馴染の璃音の元へと走った。
璃音は涙で目を泣き腫らし、顔がくしゃくしゃとなった貴美を慰める。それにも関わらず、彼女は翌日、会社を休み一日中ベッドの中で泣いているのであった。
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