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エピソード0
古臭い教会に集められた八人。
皆、長机に座ると半年に一度の定例会が静かに始まった。仮面を被った司会進行役の幼い双子が、出席確認をしている。
数は、八までしかないのに何度も数え間違った。
やっと人数確認を終え、会議が始まる。すると始まって早々、寝癖をつけた美少女が。
「私さ、今日で引退するよ」
突然、引退宣言をした。
他の七人はひどく驚き、進行役の双子は、ギャッフンと尻餅をついた。それでも皆、静かに次の言葉を待った。
待った………。
「………………」
「………………」
しばらく待ったが、何も女の口から出てこない。なぜか満足そうに席を立つと、教会を出ていこうとする。
「えっ、ちょっ、待てよ。は? 引退するって言った? 今」
小学生のような幼さの残る少女が、教会を出ていこうとする女の左腕を掴んだ。
「引退する。決めたんだ。だからさ、もう殺しはしない」
「いやいやいやいや、殺し屋を引退して何をやるんだよ! 殺し以外、私達は何も出来ないだろうが」
実は、ここに集まった八人。彼らの正体は、全員名の知れた殺し屋だった。
「好きな人が出来た。その人が嫌がるから……。だから、もう殺しはしない」
女は、殺し屋の世界ランキング一位の実力者。
「えっ!? 意味分かんない。好きな人? 聞き間違い? あうぅ、すごく気持ち悪いぃ。吐きそう……」
頭をガクガク揺らし、放心状態のこの少女は殺し屋ランキング二位。
女の嵐のような引退宣言から数日後、少女もまた殺し屋を引退した。
それから二年の歳月が経ったーーー。
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