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「本当にありがとうございます。よろしくお願いします」
廊下に出て、生徒会の人達を見送る。振り返りながら拓梅先輩が手を振るけど、足がもつれて倒れそうになるのを汐里先輩が腕をつかみ助ける。「危ないでしょ」と怒られながらも笑っている拓梅先輩を苦笑いしながら見ていると、杏也先輩がわたしに振り返る。
「今回はあなたの真っ直ぐなところが演劇部にうまく作用したのだと思います。本当にあなたらしいですね。もちろんこれはほめているんですよ」
やさしく微笑まれて胸がキュッと甘酸っぱくなる。杏也先輩の言葉が、わたしの胸の真ん中でキラキラと輝いている。それは大切な宝物。わたしだけの宝物になっていく。
そして夏休みも終わり、いよいよ学園祭が始まる。
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