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6.アイス先輩はわたしのストーカーですか?
「ということで、正式に演劇部を復活させることができました。本当にありがとうございます」
拍手をしてくれる演劇部のみんなを見渡すと、胸がじんとして温かくなる。
「顧問の先生は誰なの?」
「茎田先生です」
「茎田先生って総合アクター部の顧問の?」
「その通りです。毎日頼みこみにいったら名前だけ貸してやるけど、一切面倒をみないっていわれちゃったけど」
「そりゃそうだよね」
「総合アクター部の活動だけで手一杯だろうしね」
茎田先生の名前を出したら一瞬空気が明るくなったのに、すぐにどんよりとした空気に変わる。
「悔しいよね」
「悔しい」
「見返すしかないよね」
「部長」
「はっ、はい」
一斉にわたしを見るから迫力に負けて声がうわずる。
「学園祭に向けていちばん努力をしないといけないのは部長だから」
「はい。よく存じております」
「だからなんでもあたし達に相談して」
「ちゃんと頼ってよね」
「みなさん……ありがとうございます」
入部オーディションを受けている時のみんなの演技をしっかり見ていた。だから役にもぴったりだし、物語がしっかりとまとまると信じている。だから後はわたし次第だって少しプレッシャーもあるけど、自分から演劇部を作りたい、復活させたいとみんなを巻き込んだから責任だってある。ひとりでなんでも抱えようとしちゃったけど、きっとみんながいれば一緒に乗り越えられるよね。
「頼りない部長ですがよろしくお願いします」
「明日から基礎的なレッスンから始めよう」
「はい」
発声練習に基礎体力作りにと、想像よりも体力を使うし、練習メニューも運動部のようにハードなものばかりで、みんなについていくのがやっとだった。
「きゅっ、休憩しませんか」
「そうだね」
床に座り込んで呼吸を整える。その間もみんなは立ったまま休憩をしないで体を動かしている。
「足を引っ張ってごめんなさい」
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