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えっ?期待しちゃったのにそんな間違いってある?仮にかんじゃったとしても変わってるをかわいいに聞こえるかな?
「練習はどうしたんですか?学園祭まで日にちがありませんよ。私も仕事が残っているので生徒会室に戻ります」
完全に思考が停止して固まるわたしにたたみかけるように杏也先輩がつげると、部室を出ていってしまう。
わたしもしかして……はぐらかされた?
意味深な言葉だけを残して杏也先輩は生徒会室へと戻っちゃったけど、さんざん杏也先輩の言葉にかき乱されたわたしのこの気持ちはどうしたらいいの!?
一度鳴り響いてしまった淡い音は簡単には静かになってくれなさそうで、部室の窓を開けて上がりきった熱を冷ましていく。これ以上振り回されたくないのに、やっぱり杏也先輩には振り回されたいって思っちゃうなんて……おかしいよね?自分が傷つくだけなのにね……それでもうれしいことも悲しいことも、杏也先輩と一緒がいい。そんなせつない気持ちを隠したまま、オレンジ色に変わっていく空をいつまでも眺めていた。
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