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数時間後。ようやく、待ちに待った昼食の時間となった。
「お、今日は手作り弁当ですか?」
一人でじっくりと喜びを噛みしめようと思っていたのに、後輩がひょっこりと後ろから覗き込んできたやがった。
「あぁ。娘が作ってくれたんだ」
後輩を闇に葬りたい衝動を抑え込んで、私は笑顔で応えた。
(こうなったら昼休み中、娘の自慢話に付き合わせてやる!!)
「え? 娘さんって、反抗期真っ只中って話でしたよね」
「あいつだって、たまには優しくしてくれるってことよ」
「見せてもらってもいいですか?」
「仕方ないな……見せるだけだぞ」
弁当箱の箱を、そっと開く。
「…………」
「…………」
やっぱ『ありがとう』でいいか!
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