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『お前も、自分が悪くないのに謝ったりするな。そうやって泣いてるから、きっと雨雲が近寄ってきちゃうんだ。俺が絶対にキャンプを晴れにしてやるから、その時は泣いたりしないでちゃんと笑うんだぞ、いいな!』
それで……どうなったかって?
男の子は林間学校の前に熱を出してしまったけれど、その当日までには頑張って風邪を治して、林間学校に参加できたの。山登りは体力的に厳しかったけれど、キャンプのときはみんなと一緒に踊ることができたのよね。
その子ときたら、みんなが山登りしている間、山荘でずーっとてるてるぼうずを作り続けていたんですって。窓いっぱいに吊り下がっているそれを見て、女の子はちょっと別の意味で泣きそうになっちゃったみたいよ。
そう。その上で。
当日のキャンプは大成功。星が空から降ってきそうなくらい、とっても綺麗な夜。みんなで楽しくキャンプファイヤーを歌って、踊って。女の子は男の子のおかげで、笑顔を取り戻すことができたってわけ。なかなか素敵な話でしょう?女の子が少しずつ笑うようになったら、不思議と雨もそんなに降らなくなっていったのよ。
つまり、私が言いたいことはね。
笑っていれば、幸せが寄ってきてくれるってこと。
人は一人で変わるのは難しくても、支えてくれるたった一人がいれば変わっていくこともできるってことなの。みやちゃんにもね、きっといつかそれがわかるようになるわ。
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