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「まるで空の精霊たちが友梨のことを祝福してくれているかのよう……」
「彩花、言葉のチョイス独特すぎ」
「あのさ」
降り注ぐ星たちを眺めていた彼女たちは一斉に私の方を向いた。私はバクバクと波打つ胸のあたりを押さえて必死に平静を装った。
「ふたりにお願いがあるんだけど……」
彼女たちは首を傾げた。
「うん、何?」
「私たちに出来ることなら何でも言って?」
彼女たちの温かな言葉を聞いて、私は少しずつ頬の筋肉を緩ませた。
「なんか……恥ずかしくなって来ちゃったんだよね……ふたりに"愛の告白"を聞かれてると思うと……」
それを聞いた瞬間、ふたりはムフフと笑いながら私を茶化し始めた。
「もー、乙女だなー」
「分かった、分かった! 私たちは屋上戻ってるから!」
私は思わず苦笑いをした。
「ごめん……」
「大丈夫だよ」
すると、七海がすかさず声を掛けてくれた。
「願い事、きっと叶うよ。多分もうすぐ流星群がピークのはずだから……」
窓の外では星が降るスピードが徐々に加速しており、ここが学校であることを忘れるくらい幻想的な風景が広がっていた。
「「友梨」」
ふたりの声で私の意識は校内に引き戻された。彼女たちはいつの間にか廊下の端まで移動していて、こちらに大きく手を振っていた。
「行ってらっしゃい!」
「ファイト! グッドラック!」
彼女たちの笑顔はキラキラと光っていて、私は自然と前向きな気持ちになれた。
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