4人が本棚に入れています
本棚に追加
✳︎
星空を眺めながら私は七海の残した言葉の真意について考えていた。時間が経つごとに流れ星は確実に出現率を上げていたが、肝心の頭の中はいつまで経ってもすっからかんで、私は特に何も願わずに流れ星を見送り続けた。
私はひとりだった。彩花も七海も、あれから帰って来ない。ただ私でない誰かのために星が流れるだけ。考えれば考えるほど私は虚しかった。
「おーい! 友梨ー!」
虚しくてどんどん居た堪れなくなって来た頃、馴染みの声が私を振り向かせた。非常口で七海がこちらに手を振っている。私は導かれるまま立ち上がり彼女の元へ駆けていった。
最初のコメントを投稿しよう!