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「なんや、エトやったんか~」
起き上がったユイちゃんが、あたしをギュッと抱きしめてほおずりした。
「エトもうちのマッサージしてくれてたん?優しいなぁ、エトは」
「ちょ、ユイちゃん……それじゃ僕が優しくないみたいじゃない……」
ユイちゃんの背中からほうり出されるように下ろされたタカくんが、じっとりとした視線をユイちゃんに送ってる。
「タカくんはジャンケンに負けたから、うちのマッサージしてるんやんか。優しいとか優しくないとかいう以前の問題やろ」
「えー、そんなぁ……僕だって、今月は週休一日で働きづめで疲れてるのに………」
「は!?なにそれ!それじゃうちがまるで鬼悪魔みたいやん」
「い、いや……そこまでは言ってな、」
「勝負は勝負や。負けたのにごちゃごちゃ言うんは、男らしないで、タカくん」
「はいは、」
「『はい』は、」
「はい!」
あーあ。タカくんはいっつもおんなじことで叱られちゃうのよね。
いいかげん学習したら良いと思うのになぁ。
ま、あたしには関係ないけどね。
でもやっと静かになったわね。今度こそゆっくり眠れそう。
「おやすみなさーい」と二人に言ってから、あたしは自分の寝床で丸くなった。
うとうとし始めたあたしの耳に、またユイちゃんの気持ち良さそうな声が聞こえてきたけど、心の中だけで(タカくんがんばれ)と呟いて目は開けなかった。
おかげでやっとぐっすり眠ることが出来た。
めでたしめでたし☆
つづく。・・・・・・おそらく。
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