第二話 いいニオイの巻

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*** 「いただきます」 ダイニングテーブルをみんなで囲んで、いただきますをする。 ついさっきごはんを食べたばかりあたしはちょっと休憩。ソファーからみんなの食事を見守る係。 黙々とスプーンを口に運ぶタカくん。それを向かいの席からユイちゃんがじっと見ている。 「ねぇ………」 「うん?」 「どう?」 「え?」 「『え?』じゃなくて。どうなん?今日の夕飯。美味しいん?美味しくないん?」 「え……っと、美味し…い……です」 「そんならそうと言ってくれへんと分からんやんか?今日のは初めて作った料理なんよ?」 「いや、その、美味しいからつい黙って食べちゃうと言うか……」 「それって、不味かったら『まずい』って言いながら食べるってこと!?なんなんそれ」 「いや、そういうわけじゃ……」 「そもそもタカくんって、いっつも黙って食べるやんか。こっちは結構毎回メニューが被らへんように気ぃ使ったり、栄養のこととか頭使って作ってるんやで?せめてなんかリアクションしてや」 「は、はい……」
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