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かっこいい男の風呂上りというのは、言葉が出ない程色っぽい……。
お風呂から出て来た浩貴を見て翔多は心からそう思った。
浩貴が、擦れ違う女性たちが思わず振り返る程のイケメンだという事はこんな関係になるずっと以前から知っている。
しかし、近頃の彼はそのかっこよさに益々磨きが掛かって、ふとした表情に心臓に悪いくらいの色気を感じさせる。
このまま一時間でも二時間でも浩貴に見惚れている事もできそうだ、と翔多は思った。
気付かないうちにポカンと口を開けて浩貴を見つめていた様で、
「翔多? なに?」
浩貴がタオルで濡れた髪を拭きながら聞いて来る。
浩貴もドキドキしてるのかな? なんかちょっと声震えてる?
「え? あ、ううん。なんでもないー。……裏庭のデッキチェアーのとこ、気持ちいいからそこで涼んでなよ。じゃ、オレもお風呂入って来るから」
努めていつもの自分の口調を装って答えてから、ミネラルウオーターのペットボトルを浩貴に渡すと、翔多は風呂場へと向かった。
破裂しそうなほどの胸の鼓動を感じながら。
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