転生

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 おそらく自分の住まいだろう。見渡(みわた)すと、(おか)の上にあるひときわ大きな屋敷(やしき)のテラスに男はいた。  中世のヨーロッパを思わせるゴシック様式のファッションで、かなり豪奢(ごうしゃ)な服を着ている。  これはかなり上流階級の貴族に(ちが)いない。  そして、自分の手を見た。  見慣れていた節くれのシワだらけではなく、ハリのある若々しい手だ。  男は年甲斐(としがい)もなく、胸が高鳴るのを感じた。
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