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仕方がないと思い承諾した。
会社帰りの待ち合わせをするが、しかもよりにもよって
別れを切り出してきたレストランだ。
同じレストランって……正気か?あんた。
食事の前に赤ワインを飲んでいると
悠哉は、頬を赤く染めながらソワソワしていた。
トイレ?なら早く行きなさいよ。
そうツッコミたくなっていると悠哉は、
思いきったように口を開いてきた。
「最近さ……君キレイになったよな?
もしかして俺のために頑張ってくれてるのか?」
……うん?ちょっと意味が分からないわよ?
確かに。あんたに肌がボロボロだとか言われて
腹が立ったから見返してやるつもりで
頑張ってスキンケアとかしてきた。
それは認める。でもあんたのためではない。
むしろ自分のためだ!
「俺さ……あれから考えたんだ。確かに前は、
肌とかボロボロで服もだらしがなくて
それでも女か?とか思ったし、おばさんみたいだとも思った。
でも君は、俺のために尽くしてくれたり
優しかったなって。そんな女性を放っておいて
違う女性に行くのは、間違いだったって。
少しぐらい女を捨ててもいいじゃないかって
なのに……俺のために努力してくれて……俺感動してさ」
ちょっと待て。増えてるわよ?
おばさんみたいだとか前に誰がそれでも女かだって?
女捨ててるとか言って無かったでしょーが!?
「美優……彼女とは別れた。俺達やり直そう。
今度こそ君を幸せにするから」
超自分勝手な発言をする悠哉に私は、呆れ返る。
勝手に浮気をしておいて、勝手に自分のためだと
勘違いしてやり直したい?はぁっ?
冗談は、寝てから言って……。
ギャフンとさせたらスッキリすると思っていた。
後悔させてフッたことを一生悔やめばいいと思った。
だが彼の言い分に余計に腹が立った。
ギャフンでは……甘い。
私は、黙って席を立つと彼のところまで行く。
「えっ……?」と彼が口を開いた瞬間だった。
バチンと思いっきり平手打ちをした。
周りも悠哉も驚いた表情をしていた。
「はぁっ?あんたのため?冗談は顔だけにして。
私は、自分のためにキレイになったの。
肌もツルツルな美人にフラれて残念だったわね。
ざまーないわね。さよーなら」
私は、それだけ言うとカバンと伝票を持って
店から出て行った。前と真逆だ。
悠哉は「ちょっと待ってよ……」と必死に
私を引き留めていたがそんなのは、無視無視。
肌もケアしたら心もケアが出来たようだ!
あんな男と別れて正解だった。
今は、新しい恋も出来ているし、ざまぁーないわね♡
END。
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