8人が本棚に入れています
本棚に追加
「私の失恋に乾杯!」
ビールジョッキがぶつかり、カチンと音を立てた。
「悔しいし、悲しいのに、なぜか気が楽になった」
当然だ。あんなに振り回されていたんだから。
「真壁君、ありがとう。君がいなかったら、修羅場になっていたかも」
僕が修羅場にしようと思ったのに、ヤツが去って行ったおかげで無事なんです。
「考えてみたらね、私、彼に合わせようとして背伸びしていたのかも」
してましたよ。無理しまくりです。毎日聞かされていたから、よくわかります。
「遅くまで電話してたから、肌がぼろぼろだし、スキンケアをする暇もなかったわ」
そうですよ。僕が入社したころのあなたの肌はもっときれいでした。
「私、絶対きれいになってやる! あいつを見返してやるんだから!」
先輩は元気を取り戻した。
最初のコメントを投稿しよう!