1人が本棚に入れています
本棚に追加
ダイエット2-5
その日の帰り道
『村山先生って本当デリカシーないよね。』
『あんなんじゃ彼女とか出来てもすぐ振られちゃうよ。』
『大丈夫だよ。村山先生の言葉なんてみんなもう何とも思ってないから。』
春菜の気持ちを汲んだちえみと亜子が口々に慰めてくれるが、母の手作り弁当のことで林間学校が終わってまでもちゃかされた春菜の気持ちは晴れなかった。
表情の暗い春菜の様子を見て、ちえみが話を変えた。
『ねえ、今度3人で海に行かない』
『行きたい!林間学校では海が近くにあったのに遊びに行けなかったもんね。』
『じゃあさ、休日にみんなで水着買いに行こうよ!』
その提案は春菜にとっても魅力的で、春菜は少し元気を取り戻し、3人で買い物はいつ行くか、どんな水着が良いかという話で盛り上がったのだった。
お店は、亜子が安くて可愛い水着が沢山売っている所を知っているということで、次の週末に3人で電車にのって訪れることがきまった。
週末が待ち遠しく、ワクワクした気持ちでいる春菜は家でも終止機嫌が良く、母親が作るご飯もいつも通りパクパクと食べた。
林間学校のあと、落ち込んだ様子で帰ってきた春菜のことを、友達と何かあったんじゃないかと密かに心配してた母親は、春菜の元気な様子にほっと胸を撫で下ろしていたのであった。
待ちに待った週末、春菜はちえみと亜子と駅前で待ち合わせた。二人の私服を見るのは初めてだったが、亜子は夏らしいイエローのワンピースを女の子らしく着こなしており、ちえみも背が高くスラッとした体型にジーンズがよく似合っていた。
春菜自身もお気に入りのブラウスを身に付け、精一杯おしゃれしてきたつもりだったが、二人と比べると自分の姿は野暮ったく感じ、少し恥ずかしく思った。
春菜のそんな気持ちをよそに、3人は隣街の店にいくため電車に乗る。これから行くお店のことを想像すると、3人とも自然とワクワクしてテンションが高くなる。
電車から降り5分も歩くと目的のお店に到着した。
最初のコメントを投稿しよう!