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ダイエット2-6
店には亜子の言う通り、色とりどりの可愛らしい水着が沢山並んでいた。人気のお店らしく店内は女の子達で混雑している。
カラフルな水着の数々を前に3人のテンションはMAXまで高まり、あれこれと迷いながらそれぞれが気に入ったものを選んだ。
まずは試着をしてみることにして、試着室の順番待ちの列に並ぶ。
ようやく順番が来て、話し合の結果、亜子→ちえみ→春菜の順番で試着室に入ることにした。
亜子はピンクの水着を持って試着室に入り、しばらくして着替え終わると
『どうかな、、?』と少し恥ずかしそうに試着室から顔をだし、春菜たちを招き入れる。
淡いピンク色の裾にフリルが着いた水着は、普段から可愛らしい雰囲気の亜子に予想通りとってもよく似合っていた。
『亜子ちゃんめっちゃ可愛い!』
『すごく似合ってるよ!亜子ちゃんにピッタリだと思う!』
春菜とちえみがべた褒めすると亜子は照れ臭そうに『ありがとう。』と言うと嬉しそうに笑った。
次はちえみ、ちえみが選んだのは爽やかな水色の水着。下はスカートでなくキュロットになっている。
水着を来たちえみは、中学一年になったばかりだとは思えないほど大人っぽく、亜子同様とても似合っていた。
『ちえみちゃん格好いい!!』
『すごく大人っぽいよ!』
亜子と春菜はちえみの水着姿を見て感嘆した。
最後はいよいよ春菜の番。
春菜が選んだのはビタミンカラーのオレンジ色、カジュアルな可愛さが春菜の好みに合い、気に入ったのだった。
試着室に入り、水着に手足を通す。
そのまま所定の位置まで引き上げようとした瞬間、それまでのワクワクした気持ちは一気に沈んだ。
その水着は春菜にはキツかったのだ。
ぐっと力を込めて引っ張りあげると、なんとか上まで上がったが、手足はパンパンでお腹回りも苦しい。とてもそのまま着ていられず、すぐに水着を脱ぐが、ショックのあまり呆然としてしまう。
試着室を出る勇気のない春菜に、なかなか出てこないことを心配した亜子とちえみから声がかかる。
『春菜ちゃん、どうしたの?』『大丈夫?』
待ってる人もおり、ずっと籠っているわけにもいため、春菜は試着室から顔を出すと恥ずしさを押し殺して、サイズが合わなかったことを二人に伝えた。
『一つ上のサイズがないか、店員さんに聞いてくる!』
二人は春菜のために店員さんに聞きに行ってくれたが、あいにくこれより大きなサイズはなく、同じビタミンカラーの別の水着を出してきてもらうことになった。
その水着も決して悪いわけではないのだが、やはり春菜は最初の一番気に入っていた水着がよかったし、亜子やちえみの選んだ水着に比べても垢抜けず、見劣りする印象は否めなかった。
春菜の気持ちはすっかり落ち込んでいた。
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