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ダイエット2-9
翌朝、朝食のメニューはトーストとハムエッグ2つ、サラダ、それにカフェオレだった。
春菜は何も塗らないトーストを半分とサラダのみを食べ、ハムエッグとカフェオレには全く手を付けないまま
『じゃあ、学校いってきます!』と母親に何か言われる前にさっと玄関を出た。
玄関から走る背中に母親が何か叫ぶ声が聞こえたが、聞こえないふりをし、そのまま学校へ出かける。
学校の給食は普通に食べた。ダイエットをしていることを亜子やちえみ、クラスメートに気付かれたくなかったからだ。
そして夕食。メニューは鯖の竜田揚げと味噌汁、ポテトサラダ、それにご飯だった。
春菜は竜田揚げとご飯を数口、味噌汁は半分だけ飲み、ポテトサラダは一口も食べず、
『ごちそうさま!』と席をたった。
すぐに二階に上がろうとする春菜に案の定、母親から叱責の言葉がとぶ。
『春菜!いい加減にしなさい!昨日の夜も、今日の朝も少ししか食べなかったじゃない!そんなこと続けていいと思ってるの!』
それでも無視して二階に上がろうとすると昨夜は仕事で遅く、不在だった父親も厳しい口調で言う。
『春菜!お母さんから聞いたけど、お母さんがせっかく作ってくれるご飯を痩せたいから食べないなんて何事だ!子供にダイエットなんて必要ない!そんなくだらないこと今すぐやめなさい!』
両親から責められ余計に反発したくなった春菜は思わず言ってしまった。
『お母さんのご飯はいつも多すぎるしボリュームがありすぎるの!林間学校の時、男みたいなお弁当だって笑われたんだから!このままお母さんのご飯を食べ続けると、将来お母さんみたいにまんまるのおデブになっちゃう。私はそんな風にお母さんみたいになりたくないの!』
春菜の言葉に、母親は呆然としてショックを受けたような顔をしていた。
父親が『お母さんになんてことを言うんだ!』と春菜を叱りつけたが、春菜はそんな両親を残して今度こそ二階に上がっていった。
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