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カレーライス1-4
『理奈さん、卓巳のとこよろしくね。』
『卓巳、理奈さんのこと幸せにするんだぞ。』
帰り際、そう言って見送る百合子と健一に対し
『はい。』
『わかってるよ。』
二人は笑顔で答え、実家を後にしたのだった。
実家を出て二人は話し合う。
『緊張したけど、今日は来れてよかったな。』
『母さんが矢継ぎ早にいろいろ聞いてごめんな。あの人悪気はないんだけど、おしゃべりなんだよ。』
『ううん。私こそ固くなっちゃって。』
『でも、最初は緊張させちゃったようだけど、カレーライスを食べる頃にはいつものように笑ってくれて。ほっとしたよ。』
卓巳はそう言って理奈に笑いかけた。
『そう言えばそうだね。』
言われるまで気付かなかったが、確かに、卓巳の言うとおり、最初の緊張はみんなで食卓を囲んでるうちにいつのまにか消えていた。
『卓巳の家族がとても仲が良いんだなってわかったよ。私たちも笑顔の絶えない家庭を作ろうね。』
『そうだな。』
卓巳は頷く。
『ね、私も卓巳と結婚したらカレーライス作りたいな。将来子供が出来たら家族みんなでお腹一杯カレーライスを食べたい。』
『うん。理奈の作ったカレーライス、楽しみだよ。』
二人は笑い合い、手を繋いで駅までの道程を歩いたのだった。
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