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ダイエット1-2
きっかけは、中学校に入学してすぐの5月にあった林間学校だった。
林間学校の一日目のお昼は各自がお弁当を持参することになっていた。
春菜は同じクラスになって仲良くなったちえみと亜子という二人のクラスメートと一緒にお弁当を広げた。
『亜子ちゃんのお弁当可愛いね!』
すると、亜子のお弁当を見たちえみが感嘆の声をあげる。
見ると亜子のお弁当はハムやきゅうり、卵などの具材が巻かれたロールサンドが可愛らしく詰められており、デザートのフルーツの彩りも合わさってまるでお花畑のような華やかさだった。
『ママがこういうの好きだから、、それにちえみちゃんのお弁当こそ美味しそう!』
照れ臭そうにそう言った亜子はちえみのお弁当を誉める。
ちえみのお弁当はおむすびに卵焼き、ウインナー、ハンバーグなど中身こそ定番のものであるが、丸くころっと握られたお握りが色とりどりのふりかけで彩られ、ウインナーはたこさん。卵焼きやハンバーグも食べやすく且つ可愛らしく一口サイズにカットされて詰められている。
これもまた女の子らしいお弁当だった。
当然、春菜のお弁当にも注目がいくが、、
春菜のお弁当は豪快な母が握った大きなおむすび。全面に真っ黒い海苔がぴったりと巻かれている。それに母得意の大きなハンバーグとからあげ、隙間には申し訳程度にミニトマトやレタスなどの野菜が添えられている。
お弁当箱も亜子やちえみのように赤やピンクなど色や女の子らしいデザインのものではなく、大きなおかずをストレスなく詰められる耐久性と大きさを何より重視した無地の紺色で女の子らしさのかけらも無いものだった。
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