2人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
霧笠さんから藤崎先輩の怪我の事とか記憶喪失の事が細かく書かれた書類を見せてもらった。
頭を強く打ったことと、暴言の数々のせいでの記憶喪失。
小さい頃から一緒にいた人の事とか勉強の事とかは覚えてるみたい。
足は完治1ヶ月半みたいな事が書いてあった。
こうして、霧笠さんと話したりしていると藤崎先輩の目が覚めた。
「ん?霧笠と誰?」
「藤崎様のご友人で後輩の子ですよ」
覚悟はしてたけどやっぱり辛いな。
でも、ここで弱ってたら力になんかなれない。と思って勇気を出して僕は藤崎先輩に話かけた。
「後輩の志築 翔真です。」
「翔真君か。俺の後輩なんだね。記憶なくてごめんね。
俺、どうにか頑張って治そうと思ってるから。治った時はまた仲良くして?」
藤崎先輩は治そうとしてくれるんだ。じゃあ、僕は思い出せるように手助けをするだけだ。
「先輩。僕は、先輩の力になりたい。今の状態でも仲良くして欲しいとの僕は思っています。」
「そうか...ありがと。仲良くしてくれると嬉しいよ。」
そう言ってふわりと笑った先輩は凄く綺麗だった。
その後、2週間くらいの間通いつめた。
僕は先輩が思い出せるように、沢山の思い出を話し、いっぱい写真を見せた。
だけど、記憶は戻らない。
僕じゃやっぱりダメなんだ....
なんで、なんであんな奴に先輩は惚れたの?
今だって、先輩の事なんか忘れて楽しく過ごしてるあんな奴に!
僕は、先輩に幸せになって欲しかったのに...
その日の帰り際、霧笠さんが僕にしか聞こえない声でこう言った。
「いつまでこうしているんですか?」
最初のコメントを投稿しよう!