第1章:夢原石

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天窓から工房に戻り切り株の椅子に座ると 室内を照らすランタンの橙色の灯りを頼りに カミルは木製の作業机の上に夢原石を 慎重に並べ始めた。 「3…4…5…ざっと40個はあるな さてどうしたものか…」 ここからが大変なのである。 流星に祈りを捧げた人間の願い事の中で 神様に聞いて貰えるものを選別しなければ ならないのだから。 ()(かく)人間って生き物は 大きな勘違いをしている。 神様は基本的に人間の願いなんて 聞いてくれたりはしないのだ。 確かに森羅万象を司る力はあるのだが それは人間が勝手に考えた妄想であり 願望なのだ。 大多数の神様は人間を下等生物だと思って 見下している… 助けてやろうなんて気は更々ない。 特に神様が嫌がるのは普段は信仰しないのに お祀りや行事の時だけお願いする様な連中だ。 そういう(やから)の願い事なんて 鐚一文(びたいちもん)聞こうとしない。
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