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「全く勝手だよな…面倒だから願い事は
1~2個に絞って届けろなんて
どうせ興味があったら聞いてやるって
程度なんだろう。
これだから『天使』の仕事ってヤツは…」
思わず愚痴が溢れたのを途中まで言いかけて
カミルは口を両手で塞いだ。
神様はとんでもない地獄耳なのを忘れていた。
背中の白い翼がピクピク動く。
緊張したり焦ったりすると
カミルはこうする癖がある。
さて気を取り直して夢原石の選別に
取り掛からなければならない。
カミルはルーペを片手に1つずつ丹念に
夢原石を観察する。
人によってその形、模様、色は様々だ。
尖っていたり丸かったり形は
その人の性格を表している。
模様は生まれもった才能を表す。
複雑な模様の願い主は芸術的な才能が
ある人が多い。
色についてはカミルもはっきり把握出来て
いないが…恐らく願い主の感情を表して
いるに違いない。
神様なら全て把握しているだろうが
何しろ選別の仕事だけ押し付けといて
カミルには何も教えてくれないのだ。
殆んど独学でこの仕事をやるしかない。
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