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研磨が進むにつれ夢原石は輝きを増す。
ルーペを覗き込み慎重に仕上がりを
確認するカミル。
完成間近で砂粒程度の茶色い内包物が
あるのを発見した。
少年は母親が亡くなる前日に
親子喧嘩をしていた。
家庭の貧しさと行商の仕事に嫌気が指し
咄嗟に言ってしまった一言
「僕なんか生まれてこなけりゃ良かった」
その一言が喉に刺さった魚の骨のように
少年の心にいつまでも苦い痛みを残している
夢原石に傷が付かない様に
そして少年の心の蟠りを無くす為
布巾を当てて丁寧にその内包物を取り除き
2~3回研磨版に夢原石を擦り付けると
磨かれた裸石が完成した。
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