第2章:少年の願い

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涙形(ペアーシェイプ)研磨(カット)されたその裸石(ルース)は 少年の深い(かな)しみを含んだ青色に金色の粒が斑尾(まだら)に散りばめられ 星が輝く夜空のように美しい。 それはまるで宝石:ラピスラズリを思わせる 素晴らしい仕上がりだった。 一仕事終えたカミルは胸を撫で下ろし 工房(アトリエ)の窓から外の景色を眺めると 急に大声を発して切り株の椅子から 立ち上がった。 「しまった…! 夜明けまでに裸石(ルース)を神様に届ける約束だった。 もうすぐ朝日が昇る」 カミルは作業机の引き出しを開けて 指輪用のアクセサリーケースを取り出すと 磨かれた裸石(ルース)をその中に仕舞い込み 慌てて工房から外へ出ていった。
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