『新聞部の二人の相性』

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「『こんな目に遭うほどの悪いことはしてない』って思ったでしょ、今。」 自分の心の中を読まれたかのような快李の発言に、思わず真麻はドキリとする。 快李は苦笑しながら言った。 「以前私が言ったこと、忘れちゃったかしら?」 どんどん増している、特に美景からの威圧感に圧倒されながら、真麻は頭を回転させる。 以前··········? 記憶を掘り返して、思い出したのはいつかの記憶。 天道 夕詞をネタにした新聞記事を書く事について、部員たちが揉めたときに快李が言った言葉。 「··········あ」 「思い出したようね。そう。私はあの時、美景と夕詞には関わらない方がいいと言ったわ。ろくなことにならないからって。」 多くの新聞部員が躍起になって犯人探しをしていたあの事件を、真麻も流石に覚えている。 それを思い出すと同時に、おおっとこの話の流れはヤバイ気がする、と思い始め、つうっと冷や汗が伝った。 美景が見本のような美しい作り笑いを浮かべながら真麻に詰め寄る。 「夕詞様が後をつけられる事に不快な思いをしておられます。今すぐ、止めてください。········ね?」 「·········そ、そうですね········」 その時の美景の怖さといったら。 いつも人を食ったような態度の真麻が、マジトーンで謝りたくなるくらいの表情だった。 マジ恐い。 結局、何とか涙目になるのを我慢した真麻がもう近付かない、ということを遠回しに伝え、真麻は生き延びることができた。 プライドが高い部類に入る真麻のような人種は、あの三兄弟に下手に近付かない事をお勧めする。 プライドも捨て去って謝りたくなるから。 もし自分がもっと夕詞の事を深掘りしていたら。 そう考え、ゾッとする。 真麻は今回たまたま運が良かっただけなのだと改めて知った。 無事一難去った(どちらかと言うと真麻に一難与えた)美景に、飛鳥がそう言えば、と尋ねる。 「よく彼が尾行してるってわかったね、美景。」 「え?······ああ、気付いたのは俺じゃなくて夕詞様だよ。すごい見られてるけど、って夕詞様に言われなかったら、俺は一生気付かなかったな。確実に。」 何故か胸を張って言う美景に飛鳥は頬をひきつらせる。 「なんでそんな偉そうなの········まあでも、それなら納得、かな。」 美景に人の気配とか察知できるほどのすごい能力あるわけないし。 そう、飛鳥は何気にひどい事を心中で思った。 後日、真麻が射殺しそうな目をしながらも一応従ってくれるようになった、と快李は嬉しそうに美景と飛鳥に言った。 これで勝負は自分の勝ちだと。 一体なんの張り合いをしていたのかとか、それで良いのか顧問とか思ったりもしたが、変に絡まれるのも嫌だし、と考えて相槌を打つだけにした二人の判断は英断だっただろう。 これでこの話はおしまいです。 真麻は中盤辺りで出したミステリアスで強敵そうなキャラだったんですが、流石に美景たち兄弟に勝てるビジョンは見えなくてこうなりました。 夕詞が絡んだ美景は身体能力はともかく、精神は無敵だと思ってます。個人的に。 次は以前リクエストされていたチャラ男(でしたっけ?)について書こうと思っています。違ったら言ってください! 他にアイディアがあったらぜひ教えてください!
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