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読者様アイディアより『気苦労多い系チャラ男』
俺はふと、辺りが明るくなったような気配を感じて目を覚ました。
部屋を見渡すと、そこは見慣れた生徒会室。
どうやら俺は資料を作っている間に寝落ちたらしい。
机に突っ伏していた体を起こして背伸びする。
すると身体中から骨の鳴る音が聞こえてきて、思わず苦笑してしまった。
俺が今作っている資料は、本来は先生同士が相談しながら作るもので、会計がするものじゃない。
ならなんで俺がしているのかっていう理由を、本当は簡単に言った方が良いんだろうけど、俺だってたまには愚痴を言いたいから詳しく言うね。
ぶっちゃけて言うと、先生達は生徒会の重要性を理解しながらも、学園内のすべての事に口出しできる俺たちの事を忌々しく思っているんだ。
おまけに生徒会役員はよっぽど成績が落ちない限り授業に出なくてもオーケーだから出席しない奴も多くて、それなのに好成績ってことで、先生達からしたら当然面白くない。
だから俺たちに毎年毎年嫌がらせをしてちょっとした憂さ晴らしをしてきてたんだけど、度が過ぎる嫌がらせや雑用は、前までの会長達は先生達をうまく丸め込んで避けていたんだ。
ところが今年の会長、居美沢 那執はそこら辺ちょっと馬鹿、じゃない·········間抜け、も駄目だし·········え、ええと、なんていうか、ちょっと抜けてるんだ。
真正面から、お前らの仕事だろ、俺達はしないって言っちゃうもんだから、先生達のイライラ度が上がっちゃって·········。
流石に先生達との衝突は避けておいた方が良いに決まってるから、俺が生徒会と先生の間に立って適度に先生側の言うことを聞いて、少しでも仲を緩和しようとしてるってわけ。
············それなのにあの爛れた純情犬め·········!!
なーにが『斑鳩は変な所で真面目だから』だよ!
俺がただの善意だけで頼まれ事をうけているとでも⁉
お前らの断り方が直球過ぎて教師の血圧を軒並み上げるから俺が頑張って正常値に戻そうとしてるんだよ·········!!
ちなみに先生に雑用を頼まれそうになったときの断り方は皆それぞれで、
会長は『なんでお前らの仕事を俺がやらないといけないんだ。』って言ってガンを飛ばして、
副会長は『それって私の仕事でしたっけ?ですよね、違いますよね。ではそういうことで。』って言うなりさっさと何処かに行くし、
透堂は『·······ごめん、聞こえ、なかった······』って相手が何でもないって言うまで延々と壊れたラジオみたいに繰り返すし、
八重は『『ええ?なんでぇ?僕達忙しいんだけどー。見てわかるでしょぉ?』』って言いながら遊んでるし。
··················。
·········青筋を浮かべる先生達を静めるには、俺がやりますからって言うしか方法がないんだよ···········!!
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