君のニキビまで愛してる

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その夜。 陽菜子は宣言通り、涼の家を訪ねた。 「ヒナちゃん!」 「ミサちゃん!」 3つ年上の涼の姉、ミサは、陽菜子を妹のように可愛がってくれていた。 「早く本当の妹になってくれたらいいのに」と言われて 「じゃあ私、花山家に養子で入ろうか?」と冗談で返したら 「そういう意味じゃないんだけどな~。まぁそういうとこも可愛くて好きよ」とヨシヨシされたことがあるくらいだ。 結局どういう意味だったのかはよく分からないが、とにかく本当の妹のように可愛がってくれている。 「来てくれて嬉しい~!図体も態度もデカイ弟と二人でご飯食べても味気なくて」 「私も嬉しい~!おばさんは?」 「夜勤だからご飯だけ作ってさっき出て行ったよ~」 「涼ちゃんは?涼ちゃんも夜勤だって言ってなかった?」 「本当だ!早く行っておいでよ」 「何の夜勤だよ、オレを邪魔にしてんじゃねぇよ、フザけんなよ」 三人で冗談を言い合いながら、おばさんの作ってくれたカレーを食べた。 その後、ゲームをやって、お酒を飲みながらダラダラとくつろぐいつものパターン。 「ていうかヒナ、姉ちゃんに聞きたい事あったんじゃねぇの?何で酒飲んで満足しちゃってんの」 「そうだったー!」 陽菜子はようやく本来の目的を思い出し、ミサの腕を掴んだ。
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