危機的状況

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玄関のブザーが鳴った。 インターホンの画像に、懐かしい尚也のかしこまった顔がみえた。 返事をせずに玄関ドアを開けた。 「あ、あれ? 梨沙? な、なんか、雰囲気変わったな。あ、、そ、そうか、随分痩せたんだな」 久しぶりに会った尚也は、少しは罪の意識を感じているのか、なんとなくドギマギして見えた。 ーーどうしてこんなに痩せたと思うの? 尚也のマンションを訪ねたら、いきなり可愛らしい彼女が居たんだよ。 あんなフラれ方したら、食欲なくすに決まってるでしょ。 尚也は、尚也はわたしと別れても平気だったの? 少しも傷つかなかったの? 別れられて清々していたの。 抑え込んでいた恨みがましい気持ちをぶちまけたくなった。
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