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「お見合いって、いったい誰とするんだよ!!」
「うちの取引先の川上さんって人が、ドクターを紹介してくれるって。以前からいい人がいたらって頼まれてたんですって」
ちょっぴり、得意げに話す。
「ドクター? ……本気で見合いする気か? しないだろ?」
ドクターと聞いたからなのか、深刻な顔をしている。
「今になって断れないわ。だって明日なのよ」
クスッ、立場が逆転してなんだか嬉しい。
「仮病でも使えばいいだろ!」
「ダメよ。川上さんにバレるわ。迷惑はかけたくないもの」
少しはわたしと同じ苦しみを味わえばいいんだわ。
「まさか、その医者と結婚するつもりじゃないだろうな?」
「会ってみるだけよ。だって、尚也が今晩ここに来るなんて思わなかったもの」
「本当に会うだけだな?」
わたしが嫉妬されるなんてね。
めっちゃ、幸せ〜〜!!
「梨沙、、俺と結婚してくれないか。本当は指輪を買って、ちゃんとしたところで言いたかったけど、おまえが明日見合いするなんて言うから」
「尚也………」
ひどく焦った様子で尚也はプロポーズをしてくれた。
こんなに真剣な目で見つめられたのって初めて。
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